還暦登山No.00 31年ぶりの槍ヶ岳

2017年8月14日~16日

とにかく行ってみよう。そう思って31年前に友人に連れられて行った槍ヶ岳登山を決めたのは、来年60歳、還暦を迎える恐怖からでした。

がむしゃらに働いてきて、ゴルフの趣味もない。旅行の趣味もない。運動も苦手だし。運転免許すらない。何日も事務所で寝ながら仕事をこなし気が付いたらもうすぐ60。「あー俺の人生何だったんだ」とかにならないために、また最近は時間にも少し余裕が出てきたし、この年になって、だんだん傲慢になっていく自分がいる。何か新しいことをしないと、自分が腐っていく。

31年前、同級生の友人が急に「山に行こう。俺がチームリーダーだ。」と言い出した。
 まずは最低限の準備だ、と言って池袋の秀山荘(もうない)に行って雨具、ガス、鍋、水入れ、靴(ハイキング用)を買った。
 明日の夜10時集合だ。と言われどこに行くかもわからず、夜の電車に乗って松本まで行った。そこで仮眠して、早朝上高地に入った。上高地は初めてだった。
 登山開始。「子供のころの上湯からの学校に通う道とおんなじだろ」とか言いながらガンガン飛ばした、のを覚えている。それでも最後の登りは無茶苦茶きつかった。槍ヶ岳山荘に着いたときは感動ものだった。
穂先のてっぺんにも上った。山荘に泊まってからの縦走はあまり記憶だない。確か新穂高のほうに降りたと思う。

31年たって、今度は自分で計画した。地図を買った。今はネットがあるので基礎知識は十分に得られる。装備も昔使ったザックもある。靴もまだ履ける。鍋もある。ガスコンロは探しても見つからなかった。基本的なものがそろった。行ってみよう。

 14日早朝出発、横尾山荘泊。15日早朝横尾山荘出発。17時ごろ槍ヶ岳山荘着。あいにくの天気、穂先も見えないが達成感は十分だ。しかも山は危険がいっぱい。わがままなんて通じない。俺にはちょうどいい。
 学生時代登山をしていたという同級生から連絡で天気が悪いからそのまま来た道を帰ったほうがいい。と言われ翌日来た道を引き返した。

充実した不思議な感覚の槍ヶ岳登山だった。いつまでやれるかわからないが、続けてみようと思った。